国道9号線通行止めと断水について
雨と残暑をいったりきたりのこの頃、夏休みもいよいよ終盤となりました。
先月からの度重なる大雨で、小田地区内で地滑りが起こり、当館から西数キロの9号線が路面異常の為全面通行止めとなっております。(令和3年8月20日現在)
並走しているJR線路も影響を受けまして、現在区間が運休となり、思った以上に大事になりつつあります。
一番難儀をしておりますのは、その地滑りによる路面の寸断で町内採水地からの大きな管が損壊し町内の7割以上が断水となっていることです。
当館も該当エリアにあたりまして、現在断水の状態となり、最寄りの給水エリアへ毎日飲用水をもらいに数往復している状況です。
水道に関しましては、8月22日中に復旧の見通しとの発表がありましたので、少しほっといたしました。
ただ、このような状況でございますので、現在水道の復旧が完了するまでは、新規のご予約をお食事、宿泊共に休止いたしております。
今温泉の湯はどうなっているか
当館は、小田川底から自噴する源泉を直接浴槽へ引き込む純然たる源泉100%。
地球の奥底からここへ届けようと、ものすごい力で押し出されて噴き出している、星の意志が宿る元気な泉です。
源泉温度は20度台の為、浴槽内の湯をポンプで回す間、ろ過および適温に加熱をする仕組みになっています。
ところが、19日は、降雨による多湿でポンプの電気系統が故障し温泉の湯が動かなくなり、温泉利用を見合わせておりました。
20日には復旧して通常通り温かな湯が帰ってまいりましたが、シャワーとカランは水道水を使用するため、この点は苦慮しております。
館内の水はどうなる
敷地内に2.5トンの容量の貯水タンクがあり、そこから旅館内の水がまかなわれる仕組みになっています。
このタンクのおかげで、旅館の各部屋や浴室のシャワー等の水は確保できています。
ただ、このタンクも水道を元にするため、タンク内が空になると断水状態に突入いたしますが、出雲市の協力により、貯水タンクへ水を手動で継ぎ足すことが可能となりそうです。
現在ご予約の宿泊分は、この仕組みでなんとか、ご不便をおかけせずにお承りできるものと考えております。
念のため、各部屋に市から支給された飲用水6リットルのパックを用意いたしております。
料理に影響は?
水は料理の味に大きな影響を与えます。
そのため、出汁等に利用する水は館内で冷水としてお出しするためにストックしていた、普段料理に使用している水を使用しています。
食材や食器の洗浄には、支給された飲用の水を使用。
スタッフの手洗い等衛生面で影響する部分には、しっかり水と消毒液を使用するように心がけておりますのでご安心ください。
小田温泉へのルートは
9号線が寸断されていることによって、西(石見方面)からお越しになる場合は、山陰道をご利用いただくようになります。
多伎インターで下りていただき、キララ多伎前の交差点を左折、多伎行政センター前(大きな看板有)を左折して突き当りの旧道を右折そのまま道なりです。
東(出雲方面)からお越しの場合は、現在キララ前の西向き通行止めは一部通れるようになりましたため、通常通り多伎行政センター前までまっすぐお越しいただき、あとは上記のとおりです。
当館へ宿泊後、西へ向かわれる際は、9号線ではなく、山陰道をご利用下さい。
御礼申し上げます
現在も町内で水道が使えず大変な思いをされている方が多い中、温泉宿として、本来ならお風呂を開放してご利用頂きたいところですが、感染症対策他、諸事情によりかなわず申し訳なく思っております。
ただ、日々経験したことのない大事ではあるものの、断水地域が広範ではなかったため、物資の急速な不足に陥ることもなく、入浴も頼りにできるところが市内にいくつもあるということが、大変な中にも、ある種の救いでありました。
いまだ、現場の地滑りは少しずつ進行中とのことで、作業に当たる方々は危険と隣り合わせの中で懸命に復旧を急いでくださっています。
そして、私どもの宿も、多くのお見舞いやあたたかな励まし、お気遣いを頂戴いたしております。
日々の「当たり前」にたくさんの感謝を。
皆様の励ましから明日への勇気を。
奇しくも前回の東京オリンピックが開催された昭和39年の夏、大水害が起こり、小田温泉は泥に埋まりました。
その際に、町内外の多くの方々が一斉に復興のお手伝いに入ってくださり、祖父母は事業継続の勇気をいただいたそうです。
そのご恩に心から感謝し、何か少しでもお返しがしたいと、以降何年も町内の保育園の子供たちを招待して缶に入ったお菓子をプレゼントしていたという話をきいたところです。
私たちもこの御恩を何かの形でお返しできるよう、これからも諦めることなく、宿をしっかりと守ってゆきたいと思います。